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業務用エアコンvs家庭用エアコン|違いを徹底比較【春日井市の専門業者が解説】

愛知県春日井市を拠点として東海3県で空調設備工事を手がける株式会社本陣冷機工業では、業務用エアコンと家庭用エアコンの両方の取り付け・メンテナンス業務を行っております。お客様から「業務用エアコンと家庭用エアコンの違いは何ですか」というご質問をいただくことが多く、適切な機器選択のためには両者の特徴を正しく理解することが重要です。

春日井市周辺では、オフィスビルや商業施設における業務用エアコンの需要が高く、一方で住宅地域では家庭用エアコンの設置が主流となっております。建物の用途や規模によって最適な空調システムは異なるため、本記事では技術的な観点から両者の違いを詳しく解説し、お客様の空調機器選択の参考にしていただければと思います。

 

能力・馬力表記の根本的な違い

業務用エアコンと家庭用エアコンの最も大きな違いは、能力の表記方法と対応可能な空調面積にあります。家庭用エアコンが畳数で表記されるのに対し、業務用エアコンは馬力で表記され、より大容量の空調能力を持っております。

 

💡 馬力表記と畳数表記の違い

家庭用エアコンは「6~8畳用」「10~12畳用」といった畳数表記で能力が示されており、一般的には2.2kW~7.1kW程度の冷房能力を持っております。一方、業務用エアコンは「馬力」で表記され、1馬力は約2.8kWの冷房能力に相当します。

一般社団法人日本冷凍空調工業会の規定によると、業務用エアコンの1馬力は約11㎡(3.3坪、6.6畳)の広さに対応しており、設置環境や用途によって必要な馬力が変動します。春日井市のオフィスビルでは、10坪あたり3~4馬力程度の業務用エアコンが適切とされております。

 

エアコンタイプ
能力表記
冷房能力範囲
対応面積
家庭用エアコン
畳数表記
2.2kW~7.1kW
6~29畳
業務用エアコン
馬力表記
2.8kW~56kW
6.6畳~132畳

参照:業務用エアコンの能力(馬力)|ACNエアコン

 

💡 対応可能面積の範囲

業務用エアコンは家庭用エアコンと比較して、はるかに大きな空間の空調が可能です。また、設置場所の用途や熱負荷に応じて馬力選定を行う必要があり、飲食店や工場などの熱源が多い環境では、通常よりも大きな馬力のエアコンが必要になります。

 

 

省エネ性能とエネルギー効率の比較

省エネ性能においては、業務用エアコンと家庭用エアコンで異なる評価基準が用いられており、それぞれの特徴に応じた効率性の指標が設定されております。経済産業省の統計によると、空調は多くの業種で最大の電力消費要因となっており、効率的な機器選択が重要となります。

 

💡 COP値とAPF値の評価基準

業務用エアコンの省エネ性能は主にCOP値(成績係数)で評価されます。COP値は「定格能力÷定格消費電力」で算出され、一定の温度条件下での運転効率を示します。一方、家庭用エアコンではAPF値(通年エネルギー消費効率)が重要な指標となり、1年間の使用を想定した実用的な効率性を表しております。

 

重要ポイント
2006年のJIS規格改正により、業務用エアコンにもAPF値の表示が義務付けられ、2015年にはAPF2015として基準が見直されました。現実的な省エネ性能を確認するには、COP値よりもAPF値の方が参考になります。

 

効率指標
計算方法
評価条件
主な用途
COP値
定格能力÷定格消費電力
一定温度条件下
業務用エアコン比較
APF値
年間能力総和÷年間消費電力
年間使用想定
実用的効率評価

参照:業務用エアコンの節電問題|ダイキンHVACソリューション東京

 

💡 消費電力と運転効率の違い

業務用エアコンの1馬力あたりの消費電力は約2.8kWが目安となりますが、実際の消費電力量は運転モードや機器タイプによって大きく変動します。冷房よりも暖房の方が消費電力が多く、天井埋め込みタイプは壁掛けタイプよりも電力消費が大きい傾向にあります。

 

設置工事と法規制の相違点

業務用エアコンと家庭用エアコンでは、設置工事の規模と複雑さが大きく異なります。春日井市での現場経験から、業務用エアコンの設置には建築基準法や消防法などの法的規制への対応が必要となり、専門的な知識と技術が求められます。

 

💡 電源工事の要件

家庭用エアコンは単相200Vまたは単相100Vの電源を使用しますが、業務用エアコンは三相200V電源が一般的です。機器の定格容量に応じて30~50アンペアのブレーカーが必要となり、既存の分電盤に余裕がない場合は増設工事が必要になります。

 

エアコンタイプ
電源仕様
ブレーカー容量
配管制限
家庭用エアコン
単相100V/200V
15~30A
最大15~25m
業務用エアコン
三相200V
30~50A
最大30~50m

参照:業務用エアコンの選び方と設置の7つポイント|ReAir

 

💡 法規制への対応

業務用エアコンの設置では、室外機の設置位置に関して建築基準法や消防法の規制があり、建物の耐荷重や防振対策、メンテナンススペースの確保が義務付けられております。また、7.5kW以上の業務用エアコンは専門家による定期点検が必要となり、フロン排出抑制法への対応も求められます。

 

法規制のポイント
春日井市での業務用エアコン設置では、騒音基準(昼間65dB以下、夜間60dB以下)の遵守と、年間1,000CO2-t以上のフロン漏えい時の報告義務など、環境配慮への対応が不可欠です。

 

コストとメンテナンス管理の違い

業務用エアコンと家庭用エアコンでは、初期導入費用から維持管理費用まで、コスト構造が大きく異なります。一般社団法人日本冷凍空調工業会の環境配慮ガイドラインに従い、適切なメンテナンス計画を立てることが重要です。

 

💡 初期導入費用の差

家庭用エアコンの本体価格は5万円~30万円程度ですが、業務用エアコンは能力と機能により30万円~200万円以上と価格帯が大きく異なります。設置工事費用も、家庭用エアコンの2万円~8万円に対し、業務用エアコンでは10万円~50万円程度が一般的です。

 

💡 保守点検の頻度と内容

家庭用エアコンは年1~2回のフィルター清掃が主な維持管理ですが、業務用エアコンでは3ヶ月に1度の簡易点検と年1回の専門点検が必要です。また、フロン排出抑制法により、7.5kW以上の機器は有資格者による定期点検が義務付けられております。

 

春日井市での適切な空調機器選択のために

業務用エアコンと家庭用エアコンの違いを理解することは、最適な空調環境を実現するために重要です。春日井市エリアでは、建物の用途と規模に応じて適切な機器選択を行うことで、快適性と経済性の両立が可能となります。

家庭用エアコンは設置が簡単で初期費用を抑えられる一方、業務用エアコンは大空間の効率的な空調と高度な制御機能を提供します。法規制への対応やメンテナンス体制も含めて総合的に判断し、長期的な視点での機器選択をお勧めいたします。株式会社本陣冷機工業では、お客様のニーズに応じた最適な空調システムのご提案を行っております。

 

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株式会社本陣冷機工業
〒486-0807 愛知県春日井市大手町1丁目167番地
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FAX:0568-27-7545
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